人は自然の一部である 書影

渋沢寿一 著

人は自然の一部である

持続可能な未来は、人が自然から離れた存在ではなく、その一部であると思い出すところから始まる。

農業、環境再生、地域での人材育成に半世紀にわたって携わってきた渋沢寿一が、人間を自然の外側に置く見方を問い直します。森と農村に受け継がれてきた知恵から、仕事、幸せ、次の世代への責任まで。各地に赴き、先人たちから受け継いだ言葉をまとめた一冊です。

循環のなかで生きる

森とともに暮らしてきた人びとは、水や土、木々、食べもの、そして人の営みを、長い時間のなかで続くひとつの循環として捉えていました。自然が生み直せる恵みを受け取りながら、生命を支える土台そのものは損なわない。渋沢は、日本の農村との出会いからアジアや南米での環境再生まで、自らの経験を通してその知恵をたどります。それは過去を懐かしむためではなく、限界と再生、手入れという視点から現在の暮らしを見直すための手がかりです。

『人は自然の一部である』の裏表紙

仕事と共同体、幸せ

本書は、収入を得るための「稼ぎ」と、土地や共同体を次代へつなぐ「仕事」を分けて考えます。森を手入れし、技を伝え、祭りに集い、隣人を気にかける行為は、すべてを金額では測れなくても、世代を結び、地域をしなやかに保ちます。絶えず動き、数値を伸ばすことに価値を置く社会に対して、渋沢が示すのは、関係と責任、そしてただ存在することの豊かさに根ざした幸せです。

書棚の前に置かれた『人は自然の一部である』

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